. 省電力萌え
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ぱちょこんの消費電力を測る

消費電力をはかろうぱーと2 に続く.
DSL導入に伴って久々に常設サーバーを作ろうかと思い, 機種選びのためにいろんなPCの消費電力を測ってみることにしました.

CPUやHDD選びは発熱との戦いであり, 消費電力パーツごとの消費電力はよく話題になるのですが, PC一台となると計測手段が無いこともありそのオーダーすらよくわかりません. そもそもパーツの消費電力にしたって普通の人は計測できませんから, カタログに載ってる値をそのまま信じてるだけなんですが, いまどきの機械は使用状況で消費電力が激変するので, 実際に使っている状態を測ってみないことにはわけがわかりません.


使用機材はローテクにこんなかんじで.

何をやってるかと言うと, 2mほどの延長コード部分の微妙な抵抗で生じた電位差を テスターの交流電圧モードで測ろうとゆーわけです. これしきの銅線の抵抗なんて知れたものですが, 対象が10W以上の器具に対してはこれでいい感じに測れました. ちゃんとしたテスターならそうした回路を内蔵して電流計モードがあったりするんでしょうけど.

ただし, わかるのはあくまでも電位差ですので, 消費電力を出すには銅線の抵抗値をきっちり測るか, 何か基準になる電気器具をつないで, その値からの比で測る必要があります. 今回は抵抗値が低すぎて (0.02Ω以下) とても正確には測れなかったので, 電熱器 (1200W) をつないだ時の電位差を基準にしました.

- カタログ消費電力 電位差
電熱器 1200 W 0.700V

従って, 任意の器具を繋いで電位差を測り, その値を 1200/0.700 = 1714 倍したものが消費電力になります. 電熱器のカタログ電力が必ずしも正確とは限りませんが, 構造が単純明快だけにもっとも信用できると思われます. これ以上を望むなら, 電熱器を使用したときに家の外の電気メーターの速度がどれだけ増えるかを ストップウォッチ片手に測るしかないでしょう(そのうちやってみます)


で, 測った結果
機種 電位差 消費電力 備考
PC1
(celeron 850, i815EP, G400, Barracuda4-40G)
0.032V 55W OS 起動中
0.022V 37W アイドル
0.016V 27W スタンバイ
PC2
(K6-200, aladdin4, T64V, HDD*2)
0.026V 46W OS 起動中
0.017V 29W アイドル
PC3
(celeron266@400, 440BX, VIRGE, HDD*1)
0.021V 36W OS 起動中
0.013V 22W アイドル
PC4
(PC9821Ae, 486DX4-100)
0.026V 45W カタログ電力50W
ノート1
(AmityCN2, MMX166, カタログ最大30W)
0.010V 17W OS 起動中
0.007V 12W アイドル
0.003V 5W 充電のみ
ノート2
(DynabookSS3410, mobile-celeron400, カタログ最大45W)
0.008V 14W OS 起動中
0.004V 7W アイドル
17iモニタ 0.030V 51W Samsung
PlayStation 0.002V 3W SCPH5000

アイドルの定義は, HDDが普通に回転しており, OSがぽけーと起動している状態です. その状態からチャットやエディタ操作程度を行っても数値には影響ありませんでした. また, HDDが回転している状態であれば, シークの有無は電力には (ほぼ) 影響しないようです.

傾向として, クロックが高いPCはやはり電力が多いです. 初代 celeron@400 よりも coppermine 850 の電力がかなり多いことから, コアやプロセスルールが多少改善されても, マザーボード全体で消費される電力はやはり高クロックほど多いことがわかります. (もっとも, PC1にはキャプチャカードがささっているので その電力が予想以上に大きいかもしれません)

ノートはさすがにすごいです. Amityのパワーセーブ機能は無いに等しく, 実際に使っててもすごい発熱で手が熱くなるほどですが, それでも12〜17Wとは…

あと, スタンバイ, ファンが止まるのですっごく節約してるみたいに見えるけど, 案外使えない(笑)


1/6 2002補足

ええと, 実は測定中にも気が付いてはいたのですが, 交流回路の場合にはリアクタンス (と抵抗の比) が一定でない場合には電流と消費電力は比例しません. いや, もちろん似たような機器を測っているので比例するだろう, という読みでやっていたわけですが, さすがに電熱器までいっしょにするのは無理がありますねえ…

直感的に, 電熱器のリアクタンスは極めて小さい気がするので, 他のコンピュータ機器の消費電力は上の数値より 小さくなることはあっても大きくはならないと期待してるのですが, まぁ絶対値はあまり信用できない. ですなぁ… 位相差を測るのはまず無理としても, 較正は家の外の電力メーターでやったほうがいいです.

あと, モニタの場合とPCの場合は, 別にして考えたほうがいいかもなぁ. つうか, 位相差って測る手段ないのかな… 考えてみまふ.


3/5 2002補足

余所さまの消費電力サイトを見比べたところ、どう考えても上記の数値は少ないみたいですねえ… まぁ、celeron266なんて使って測ってる人もいないのですが. 余所のceleron800クラスはうちの倍近い値が出てる例もあるので, 今度電熱器じゃないものを使って較正をやりなおします. あまり上の表の絶対値は信用しないで, 比だけ見ておいてください. 前回に比べてPS2やDuron1Gマシンも増えてるのでそのへんも測る予定です.

それと, 電力会社の課金は消費電力ではなく電流に対して行われているそうなので, 位相差による消費電力の減少はとりあえず考えなくても良いことがわかりました. あとはとにかく絶対値を性格に測ること.


消費電力をはかろうぱーと2 に続く.
12/30 (2001)